最後の杯を交わした隊員は
機上の人となり、
かんじとして手を打ち振りつつ
今生の別れを告げる。
女学生や村人達は
花もちぎれよとばかり
桜の小枝を打ち振る
機影を追いながら・・・
やがて南の空を凝視している。
皆泣きはらした眼で見つめている。
嗚咽がもれていた。
とうとう一人が
わっと泣きだすと
堰を切ったように皆も泣き出した。
幾度が繰り返された
決別の光景であった。
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